アニメ映画「この世界の片隅に」の舞台の広島県呉市は、ヒロイン「すず」の嫁ぎ先として登場する映画ゆかりの場所に、舗装材で家の間取り図を再現した「すずさんに逢える丘」(仮称)を整備し、平成31(2019)年3月をめどに公開する。漫画原作者のこうの史代さんからモデルとした祖母宅跡の寄付を受け、聖地巡礼のファンらを迎える観光スポットとして活用する。14日発表した30年度当初予算案に790万円の関連事業費を計上した。
祖母宅は市街地北東にそびえる灰ヶ峰(737メートル)の中腹の細い坂道にひしめき合う住宅街の一角。街並みや港が一望でき、映画の中では、18歳で結婚したすずが広島から嫁いだ「北條家」の場所となった。
こうのさんが昨年3月、「地域の活性化のために使ってほしい」と市に土地を寄付し、活用法を協議してきた。約200平方メートルの敷地に建物は建てず、ブロックを組み合わせたカラー舗装で北條家の間取り図を再現するほか、こうのさんの意向を踏まえ、すずをイメージするタンポポなどの花壇を設ける。こうのさん直筆の説明文やイラストを入れた看板の設置も予定しているという。
コメントする